墨(すみ)

墨の歴史は紀元前17世紀,殷時代まで遡れます、甲骨文字に使用されたのが始まりと言われ、罪人の記号としても使用されていたようです。そもそも甲骨文字は現代では骨董品として流通してますが元来は殷時代の占ト(占い)に使われていたものです。占トには亀甲と牛骨が用いられてました。それは当時の祭祀と軍事の重要な役割を果たしていました。それらを焼成して割れた亀裂の入り方によって吉凶を判断したようです、その甲骨片の中に朱や墨で書かれたものがあり、それが墨の歴史となりました。ここから墨の骨董品、古美術品としての歴史が始まります。

 日本では墨の伝来は奈良時代ころではないかと言われており、おそらく紙が伝来したころと同時期ではないかと言われてます。江戸期には明は衰亡し多くの遺臣が日本に亡命し日本文化に墨、掛け軸作品に影響を与えました。その立役者は黄檗宗の隠元、即非、独立らの掛け軸作品ですが、彼らによって多くの明墨がもたらされたであろうことは容易に推察ができます。当時の中国文化はキリスト教や江戸幕府の押し付けの儒教文化と違いエキゾチックな憧れがあったかもしれませんね。

中国から渡来した墨は亡命した遺臣の成果もあり、掛け軸作品、古美術品、茶道、硯、墨を中心とした書道にも大変な影響を与え、特に端渓硯、唐墨、唐筆、印材は徳川家を始めとした大名や豪商のコレクションとなりました。

また市河米庵、貫名菘翁ら江戸時代の書家として双璧をなした二人は墨を始めとした書道の熱心なコレクターであり研究者でもありました。当時の市河米庵の消息、書籍には乾隆墨を気に入って使っていたという記述があります。杉並区で30年以上、書道を中心とした墨、硯、掛け軸、書籍等の買い取り業務を行っておりますが現代の書道家の方からも乾隆墨に対する熱いお話は書道の査定、ご売却の際によく伺います。現代でも人気がある乾隆墨は江戸期の書道家にも愛されていたという事実は興味深いです、書道の墨一つではありますが歴史のロマンを感じますね。

このように紀元前から使用されていた墨ですが日本と中国は当時の国勢状況により持ちつ持たれつの関係であったようでそれは現代でも変わりません。

墨は書道の素材としても小さく、擦り減ってなくなってしまうものですが紀元前から中国と日本を結び付けていた儚くも存在感のある古美術品ですね。

最後に日本トップクラスの書道家であり墨の熱心なコレクターでもあった宇野雪村の墨に対する熱い文章を紹介することでこの買取り品目(墨)の紹介を終わらせていただきます。

 「筆や墨は硯や紙に比べて消耗の激しいものである。特に墨は墨身を擦り減らすことによってのみ、己の務めを果たしうるという悲しい宿命を持っている。墨は愛されることによって身を亡ぼし、自己を抹殺することによって生命を顕現するという矛盾の上に成立している。」宇野雪村著「古墨」

 

「書道具買取り専門 すみのあと」では墨を査定、買い取り致します。

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営業時間 11時~1700

電話受付時間 9時~20時(営業時間と電話受付時間は異なりますのでお気を付けください)

参考文献 宇野雪村著「古墨」

買い取り対象

古墨 明墨 汪氏(汪世卿 汪汝登 他) 呉氏(呉申伯 呉万化 他) 程氏(程君房 程李元 他)
清墨 曹氏(曹素功 曹尭千ほか) 胡氏(胡開文 胡正文ほか)
現代墨 中国書画墨 鉄斎墨 大好山水 他
和墨 墨運堂 呉竹精昇堂 他

買取実績例

 

書道具買取専門の「すみのあと」では使用済みの墨でも査定、買取りを行っております